2021年8月18日
「地下空間研究委員会」では,健全で豊かなゆとりのある地下空間を現実のものとするために,土木工学のみならず,都市計画,建築,法律,医学,心理学,福祉,さらには芸術,経済学の分野までをも包含・総合化した“地下空間学”の確立を目指した研究活動を続けており,年間活動の集約の場として毎年シンポジウムを開催しています。
このシンポジウムでは,地下空間利用に関する計画,防災,維持管理,環境,心理,空間デザイン,普及など幅広い問題にわたり意見・情報交換を行い,建設的で充実した議論を行いたいと考えております。尚、現段階では、オンライン形式での開催(予定)ですので、会員・非会員を問わず,奮ってご参加いただけますようお願い申し上げます。
〇第27回地下空間シンポジウム テーマ
「次世代に向けた持続性の高い社会形成 ~デジタル技術を活用した地下空間の新たな可能性~」
〇テーマ主旨
2020年の始まりと共に流行した新型コロナウィルスの猛威は、未だに衰えることなく全世界を苦境に追い込んでいる。しかしながら、(皮肉な話ではあるが、)この状況下となってデジタル技術は目覚ましい進歩を遂げている。
地下空間おいても、ポストコロナに代表されるニューノーマルへの対応や、利用者の考え方の変化に対して地下空間がどのようにあるべきか、地下空間がどのような役割を果たせるのか、またどのような課題があるか、デジタル技術の活用を基本に議論すべき事は多い。
今年度、無観客開催となった東京オリンピックにおいては、インバウンド対策の評価は難しいものの、今後の大きな国際イベント開催時の地下空間利用に向けて対策を講じておくと同時に、巨大化してきた災害に備え、現状の地下空間の問題点と役割を整理する必要がある。また、SDGsに基づいた地下空間の課題を取りまとめること、更に、地下をより快適な空間とするためにDXを基軸とした最新の情報伝達技術の利用促進も考えていく必要がある。
本シンポジウムでは、ソフトとしての地下空間利用を中心に、行政、事業者・利用者の立場、また、デジタル技術の専門的な視点から、現状把握、催事後の報告、今後の課題、向かうべき方向、新たな価値などを議論する。